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マディソン突撃レポート!
Madison's report!

10フリーな高級パーキング

マディソン(メッセンジャー)
5月半ばにサンフランシスコ・ジャイアンツの試合を見に行った。 そこで、ついに自転車をバレー・パーキングに預かってもらった。 スタッフの笑顔と、自転車を預けられる安心感は気持ちいい。 結局、ジャイアンツは負けたけど、バレー・パーキングもあってずいぶん楽しめた。

1930年代、アメリカではクルマが普及しつつあったけれど、駐車スペースは設置されていなかった。 そこで、バレー・パーキングが生まれたのはごく自然な流れだった。 バレー・パーキングは簡単にいうと「手荷物預かり所」で、ホテルのクロークのようなもの。 バレーはvaletで、ホテルのボーイさんの意味。 そのせいかリッチな雰囲気がある。 運転手は駐車スペースを探すこともなく、目的地の前で係の人にクルマを預かってもらえばOK。 高級感のあるレストランやクラブ、ホテルで、このサービスは必須になった。 今では、自転車のバレー・パーキングも実施されている。

アメリカでは、ちょうど野球シーズン真っ盛り。 街はスタジアムを目指すクルマであふれる。運転手は渋滞のなか、駐車場を必死に探す。 一方、自転車乗りは渋滞をすり抜けて、目的地に先回り。 サンフランシスコやワシントンDC、シカゴのメジャーリーグの球場には無料のバレー・パーキングが設置してある。

バレー・パーキングのシステムは簡単。受付で用紙に必要事項を記入して半券をもらって、自転車を預けるだけ。 これでパーツを盗られたり、自転車ごと盗られたりすることも一切ない。心配無用の自転車置き場なのだ。

さらに、それでも満足がいかない人のために、あるバレー・パーキングではタイヤに空気を入れてくれたり、簡単な修理もしてくれたりする。 サンフランシスコにあるジャイアンツ・スタジアムのバレー・パーキングで働いているカッシュさんは、別に野球が好きでも何でもなく、ただ「自転車のために働いているんだ」という。 アメリカ全土やカナダ、そしてここ日本でも広がりつつある。 その場所は、駅や市場前からロックコンサートのホール、オリンピック会場までさまざま。 いつか映画館にもバイシクル・バレー・パーキングができたらいいな。

(本紙掲載 2011年6月14日)


サンフランシスコのFerry Buildingのバレー・パーキングでは、赤い半券で自転車を管理している。