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マディソン突撃レポート!
Madison's report!

15自転車で天国への道

マディソン(メッセンジャー)
京都・花背に補陀落(ふだらく)山荘という多目的スペースができた。 補陀落とはインド南方の彼方の、観音菩薩が住む浄土をいう。 日本では昔「補陀落渡海」といって、その菩薩に会いに行くために、おもに和歌山の那智勝浦から渡海船で船出する捨身の行が続けられたという。 そんな伝説にちなんだ名前の山荘はどんなところか、訪ねてみた。

まず、叡山電車の鞍馬駅から京都で最も傾斜がきついといわれる花背峠を越える。この峠がポイント。 7kmほどある坂道の傾斜は平均8.5%の急勾配で、一番急なところでは16%もある。 MTBではだいたい1時間でこの峠を越えられるけど、スピードを出せる人なら30分で行けることもあるらしい。

「補陀落山荘」のプロデューサーで空井戸サイクル店主の雨森無我さんは、「時間がかかったとしても、この峠を上れたら脚力に自信がつく。 困難を乗り越えるところが補陀落渡海に通じると思って。 花背峠を越えた人にはサイクル天国が待っているんです」と教えてくれた。

山荘に入ったら、確かにそんな気持ちがした。 建物はほぼ木造で、まわりは緑であふれている。 屋内でも森の中にいるみたい。 1階は広く、ラウンジにはソファ、音楽プレイヤー、世界中から集められた本や地図が並ぶ。 真ん中には薪ストーブがあり、自然の中で暮らしている感じが部屋に満ちている。 ふすまを開くと、森が見えて一気にリラックスできる。 もっとくつろぎたい人はハンモックを借りるのもいい。 Wi-Fiもプロジェクターも自由に使える。 アウトドア派の人はオーナー・川合伸俊さんによる畑のワークショップに参加したり、ワナを借りて近くの川にウナギ獲りに行ったりと過ごし方はさまざま。

無我さんが話してくれたように、花背峠を越えたら本当にどこへでも行けるような気がする。 楽しそうな40kmのMTBコースがあるし、琵琶湖にも足を延ばせる。 体力に自信のある人なら日帰りで日本海までの往復も可能。 MTBに限らずロードバイクやロングテールで来ている人もいるのだそう。

そうそう、フードとドリンクも大事! このサイクル天国では京都で有名な「KAFE工船」のコーヒーをはじめ、ジュース、いろんな種類のビールが飲める。 フードは、ちょっとした一品料理。 私が訪れたときは、そばにある畑からオーナーが採ってきてくれたキュウリとみそをごちそうになった。 希望すればキッチンやシャワーも使うことができる。 休憩、宿泊ともに有料。 友達や家族と行くのもいいし、一人での冒険もきっと楽しめるはず。

補陀落山荘 http://www.fudaraku.jp/

(本紙掲載 2012年9月20日)


サイクリングを終えて、おつまみと本でリラックスタイム。営業は金土日曜・祝日。昼間は予約不要(9:00〜18:00/1人500円)、宿泊は要予約(18:00〜翌10:00/1人2,500円)。
補陀落山荘