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マディソン突撃レポート!
Madison's report!

16自転車で動くアニメーション

マディソン(メッセンジャー)
遠くから見ると、自転車はほとんどが「丸」でできている。 ホイール、ペダル、ギアなど、自転車を走らせるとすべてのパーツがきれいに回転して、それは永遠に続きそうな気がする。 自転車をこぐライダーの脚も円を描いて動く。 そんな自転車の回転をうまく使えば、すてきな動くアニメーションだって作れる。 私も試しに作ってみた。

自転車の回転を生かせば動くアニメーションが作れることに気づいたのは、ケイティー・ベバレジさん。 彼女はロンドンで活動するイラストレーター兼グラフィックデザイナーだ。 2011年に芸術大学でプロジェクトを完成させYouTubeで作品を発表している。

ベバレジさんがデザインするイメージは、回るギアや雲、子ども、植物などさまざま。 すべて紙や白いプラスチック製の切り絵で、レースのように美しい。 それらを車輪のスポークに貼りつけて回す。 肉眼ではうまく見れないけれど、ビデオカメラを毎秒24フレーム撮る設定にして動画を撮影すると、静止画像がつながって動いているように見える。

こういったアニメーションの原点は「ゾートロープ」や「回転のぞき絵」だ。 近代のゾートロープはイギリスの数学者ウィリアム・ジョージ・ホーナーが発明し、細いすき間(スリット)がたくさんある円筒を回転させると、内側に貼った絵が動いているように見える仕掛け。 パラパラマンガの回るバージョンと思ってもらえばよい。 ベバレジさんがこのプロジェクトを始めた理由は「普段見ているアニメーションの原理を理解してもらいたいから」という。 「多くの人は自転車にふれたことがあるので、わかりやすい」と自転車を使うことにしたそうだ。さっそく私も挑戦した。

まず、コンピューターを使ってシンプルなアニメーションを1コマずつハガキ大に印刷する。 選んだのは16フレームの歩く馬と、18フレームの飛ぶ鳥の2種類。 印刷したものを丈夫な紙につけ、等間隔でホイールのスポークにテープで貼った。 ポイントは回転する方向とは逆方向にアニメーションを順番に並べること。 これを誤ると馬が後ろ歩きしてしまう。実際にやってしまったけど(笑)。

次に撮影。 一番簡単なのは自転車を固定してホイールだけを回転させて撮ること。 でも私は動く景色もライダーも撮りたかったので、スケートボードができるカメラマンに撮影してもらった。 ベバレジさんは自転車のフレームにカメラを留め付けて撮影したそうだ。

このプロジェクトを試すのはとても楽しい。 撮影した映像では、肉眼では見ることができないアニメーションが動く様子に驚くはず。 私の作品はYouTubeで「Madison Zoetrope」で検索すると見つかる。

(本紙掲載 2012年12月18日)


スポークに紙を貼り、自転車を走らせる。カメラマンも同じスピードで走ると、動くアニメーションと景色を撮影できる。