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マディソン突撃レポート!
Madison's report!

18フォレストシティーを訪ねよう!

マディソン(メッセンジャー)
この夏、アメリカ・クリーブランドの実家に帰省したので、現地の自転車ニュースを2号連続でご紹介。 2000年に高校卒業後、街を離れた私が知っているクリーブランドは主要産業の鉄鋼業が衰退し、廃れた街だった。 それが2013年に帰ると「90年代とは違う!」と感じる、新しい風が吹いていた。 今回は、古いものからおしゃれな実用品を作る「Forest City Portage」についてレポート!

コーヒー焙煎場でもらった麻袋や酒造工場の米麦袋、あるいはボートの帆を使って何が作れる? そう、メッセンジャーバッグが作れるよ! それに、想像できる自転車アクセサリーなら何でも。

Forest City Portageのオーナー&デザイナー、マイケル・フデセックさんが時間と想像力をかけて仕上げるバッグは感動的で、リサイクルも兼ねたアートだ。 仕事場は、クリーブランド郊外にある、1917年に建てられた元自動車工場。 多くのアーティストがアトリエを構える巨大なビルが、街に新しい生命を吹き込んでいた。

マイケルさんは大学卒業後、世界を回る旅に出て、アートや建築への興味を広げた。 旅を終え地元に戻り自転車に乗りだした。 そうすると雪が多いこの街で、冬でも耐えられるメッセンジャーバッグが必要になり、縫い始めた。 最初は自分用のバッグを製作。 それを見た友達から注文がどんどん入り、2010年にForest City Portageという企業が生まれた。 「うれしいサプライズだった」と、マイケルさん。

彼の仕事への哲学は「いかにユニークな作品を作るか」。 「依頼主にぴったりな作品を目指すこの仕事は、タトゥーアーティストに似ている」と話す。 まず最初のプロセスは面会だ。 客の好みや素材の希望を聞いてデザインし、OKをもらってから製作する。

こんなエピソードを教えてもらった。 ある女性が、亡くなったお父さんが農場で使っていた種袋からバッグを作ってほしいとオーダーした。 女性はその完成品を喜び、マイケルさんに何枚か種袋をプレゼントした。 その種袋からバッグを作ってwebで発売したところ、隣の州に住む、彼女のはとこがそれを見て、家族同士が再会するきっかけになったという。

これからも彼のバッグを通して新たな出会いが生まれるのだろう。

Forest City Portage http://fcportage.com/

(本紙掲載 2013年9月20日)


種袋をリサイクルして作ったバッグ。新たな持ち主の元でまた使われる。