back number

ガールズ&バイクス
girls & bikes

01 やっぱりパンツ?

タクヤ(メッセンジャー&自転車屋)

ちゃんとした自転車ってスカートじゃ乗りにくい。上の棒(トップチューブ)が邪魔だから。 でもスカートで乗れる自転車では物足りない。うーん困った。なんで女の子はスカートなんかはくんだ?

いやいや大昔は男も女も皆スカートだったんだよ。 じゃ、パンツ、つまり2本の筒が股の部分で接合される形状の被服はどこで生まれたのか? 有力なのは、「中央アジアの騎馬民族が馬にまたがるために造った」との説。 「どこか寒い土地で防寒のために出来た」説もある。 靴下が長くなって上部でくっついたなんてトンデモ説も。 専門家に聞いても、服飾史を紐解いても判らない。 「パンタロンの語源は4世紀ビテュニア(現在のトルコ北部)の医師パンタレオンの名前らしい。」 「ヨーロッパでは15世紀末から16世紀にかけて普及したみたい。」なんて程度。

パンツの発祥は中国文化圏やイスラム文化圏らしく、西欧におけるモードの記録である「服飾史」からは判らん!って結論。

しかし西洋の女性がいつパンツをはき始めたかはわかってる。1851年。 NY生まれ29歳のエリザベス・スミス・ミラーが、自分で仕立てたトルコ風のパンタロンをはいて 従姉のエリザベス・キャディー・スタントンと友人のアメリア・ブルーマーをセネカフォール村に訪問した日。 女性が公の場でパンツをはいた最初の記録だ(ちなみにセネカフォールは女性解放運動の聖地)。 なぜこんな記録が残っているかというと、女性のパンツルックはよっぽど奇異に見えたらしく当時の人々がビックリしたからだ。

アメリア・ブルーマーを中心にパンツルックを認めさせようとした女性解放運動家たちは、変態扱いされイジメられた。 女がパンツをはくのを揶揄した新聞漫画も残っている。

なにしろパンツというのは「男」性の特権で女の物ではなかったのだ。 今の状況で例えるなら女がフリチンで道を歩いているくらいのインパクト? 結局ブルーマーパンツは廃れていった。

常識を疑わずマナーやモラルを振りかざす人には今も昔も困ったもんだが、もっと困ったのが自転車である。

1850年代ならマクミラン型の自転車は既に存在してたし、60年代にはミショー型(ボーンシェイカー)も現われる。 70年代にはオーディナリー(ペニーファージング/だるま型)が。いずれにしてもスカートじゃまたがれへん!

そう、自転車とは男の物だったのだ。 でも自転車に乗りたい女性もいたわけで、こんなスカート用自転車も作られたようですが…乗りにくそう。

(本紙掲載 2009年3月28日)

[サイドサドル]