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世界の自転車事情
The World News

20 ドイツ・ケルン

text by 松浦耕平(ケルン市在住)
精神論では実現できない
実質的な安全
手信号のある風景

ここケルンで、手頃な自転車を見つけるのは容易ではない。 手始めに新品自転車を物色した私は、その値段に絶句した。 「最低300ユーロ(*約4万円)って…」。 ケルンでは週に1回、市内各所の広場を巡回するように、自転車中古市が開かれている。 ものによっては50〜80ユーロと格安で購入できるのが強みだが、修理の必要がある自転車もちらほら。 町中での自転車盗難はよく聞く話で、実はここに持ち込まれる自転車にも不穏な噂が絶えない。 紆余曲折の末、幸運にも私は、友人の自転車を譲り受けることができた。

ドイツの自転車はペダルブレーキで、これに慣れるのはちょっとたいへん。 私の自転車には前輪ブレーキもついているが、こちらはなんとも効きが悪い。 ペダルを逆にこぐために両足をペダルブレーキにとられてしまうと、自転車も急には止まれないのだと、身をもって感じる。

ケルンでよく見る光景は、右折・左折時の手信号である。 これが律儀に守られているところが、自転車への意識をうかがわせる。 ドイツでは小学校で特別授業が実施され、その日、生徒は自分の自転車を学校に持ち込んで、教習を受けるのだそうだ。

ケルンは人口百万に近い大都市だが、他のヨーロッパ都市にも似て、ほどよいサイズ感を保っている。 クルマや歩行者の脅威を感じずに走行できる自転車専用レーン、この環境が、単なる精神論では実現できない、実質的な安全を可能にしている。 自転車、歩行者がそれぞれ安心して、豊かに街を楽しむ権利は、きっと、ここケルンの先人たちが、市民や行政に訴えかけ、多大な労力を払ってつくりあげてきたものだろう。 彼らに日々感謝しつつ、私は今日もケルンを走っている。

*1ユーロ=約134円、2013年10月現在

(本紙掲載 2013年12月19日)

アメリカ
中古市では、子ども用の自転車も多く見受けられる。 アメリカ
通行量の多いところでは手信号を出している人がほとんど。交通規則が厳しいせいか、ルールへの意識も高いよう。 アメリカ
大ぶりな鍵がスタンダード。
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