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マディソン突撃レポート!
Madison's report!

09武士の魂よ、目覚めよ!

マディソン(メッセンジャー)
大雪が降り積もる中、大阪メッセンジャー4人組で、名古屋へと向かった。 「バイク・ザ・武士道」を体験するためだ。 ゲームの創作者、鈴木謙太郎さん(ズッキさん)、名古屋で活躍するサイクリストの澤田梨絵さん、ハナムラヒデノリさん、そして自転車店「Circles」の協力も得た。 果たして4人はミッションクリアーとなったのか!?

2人の対戦者が剣道の面と胴を着用して、BMXに乗る。 手には槍、2mと長いビニール管の先端にやわらかいボールがついている。 ボールの中身は、ズッキさんによると「100%ソファ!」とか。 対戦者は約20mの距離から、ソファの中綿で作られた槍を相手に向け、激突しに走り出す。 ルールは簡単、相手を落車させた方が勝ち。この時、最も満足感を感じる。これが「バイク・ザ・武士道」。

このゲームには、勇気、大胆さ、そしてスキルが必要。 意外に重たい槍、慣れないBMXのハンドリング、重くて視野が狭い武具。 開戦の瞬間は、恐怖や不安、興奮などのいろんな感情で頭がいっぱいになる。 それでもアドレナリンが放出されたら、無傷を祈って相手を突撃! 「初めてプレイしたときは、大ケガではなかったけど、血は出たね。でもとっても楽しかった!」と澤田さんが語ってくれた。 澤田さんがマゾヒズムというわけじゃない。ゲームに対する恐怖よりも楽しさが勝る、ただそれだけのこと。

実はこのゲームは、「ジョスト」という中世ヨーロッパの戦争ゲームが元になっている。 ジョストは、馬に乗った騎士が槍を持って相手を落馬させる競技で、12〜17世紀の間に流行したものの、廃れていってしまった。 ところが300年以上経った今、バイクジョストとして復活を遂げたのだ。 ハリウッド映画「クイック・チェンジ」で取り上げられたし、世界トーナメントが開催されたこともある。

「単純にジョストをするよりも、日本独特のスタイルを重ねた方がおもしろい。 防具は体を守るだけじゃなく、自分を覚醒させるんですよ」とズッキさんが言う。 戦いの直前、彼は叫ぶ。「武士の魂よ、目覚めよ!」と。そして私たちは武士の道を走り、全力でぶつかり合った。 戦に倒れた者も、生き残った者も、みんなが戦士として戦った。

(本紙掲載 2011年3月25日)


「バイク・ザ・武士道」の武具を着用し、対戦用MTBに乗るズッキさん(左)と筆者(右)。