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ガールズ&バイクス
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06 ジャニー・ロンゴ

タクヤ(メッセンジャー&自転車屋)

連載中の19世紀の女性サイクリストの苦労話ですが、ちょっと調べ物が滞ってるので今回は別のお話。 ごめんなさい。

自転車史上、世界最強の選手は誰でしょう? ランス・アームストロング? エディー・メルクス? ファウスト・コッピ? 表彰台に上がった回数、メダルの数、選手生命の長さを考えると、 1958年生まれのフランス人選手、ジャニー・ロンゴ(Jeannie Longo)に敵う選手はいないようです。

◎ツール3連覇 ◎オリンピックのロードレースで金1回、銀1回  ◎オリンピックのタイムトライアルで銀1回、銅1回  ◎世界自転車選手権ロードレースで金5回、銀4回、銅2回  ◎世界自転車選手権タイムトライアルで金4回  ◎世界自転車選手権トラック競技で金4回、銀3回、銅3回  ◎世界自転車選手権MTBのクロスカントリーで、 なんと銀1回(ちなみにロードレースとトラック競技でもずいぶん違うけど、シクロやMTBとなると全く別のスポーツ)  ◎2000年にはアワーレコードの新記録樹立  ◎フランス選手権のロードレースで優勝15回、タイムトライアルで優勝8回  そして、表彰台にこそ上がらなかったけど、 北京オリンピックでは49歳にしてタイムトライアル4位という信じられない成績をあげています。

51歳の現在も現役で、選手生活30年目を迎えるという、 そんなすごい選手なのに日本ではほとんど知られていない。 自転車雑誌でも見た記憶がない。どうしてこんな選手を誰も知らないのか?

実は、ロンゴは女性なのです。 日本での自転車競技は相撲と一緒で「男のスポーツ」とう認識なので女性選手は基本的には無視。 だから「グランブークル」という女性版ツール・ド・フランスがあるのもあまり知られていない。 「ジロドンナ」って女性版ジロ・デ・イタリアも知られていない。 これから日本で始まる女性競輪も人気が出るか心配です。

まぁ、大和男子にしてみれば、「女のスポーツなんて本当のスポーツじゃない。興味なね」って感じなのでしょう。 もしかしたら強い女性に恐怖や劣等感を感じる男性も多いのかもしれません。

がんばった人や才能のある人は性別に関係なく評価される世界。 とまではいかなくても、女性が自転車でバリバリ走っても変な目で見られない世の中というのは、 実は男性にとってもいい社会だと考えます。 少なくとも僕にはそっちのほうが自転車デートがしやすくていいなぁ。 あなたはどう思いますか?

(本紙掲載 2010年6月4日)


昨年7月の「ツール・ド・ブルターニュ・フェミニン2009」で、 日本の女子自転車チーム「Ready Go JAPAN」に合流して走ったジャニー・ロンゴ。 スタート前、右から2人目。
(写真提供:NPO法人J-BRAIN)