特集

Winter2024

no.60

WEB掲載日

2024年2月19日

特集 防災と自転車 [コラム] 災害時こそ自転車が有効!カーゴバイクの救助&支援

さまざまな自転車の中でも運搬力にすぐれたカーゴバイクの存在は、災害時の大きな力になる。東日本大震災の発生後、「cycle no.10」(2011年夏号)で掲載した被災地レポート『3.11後の仙台の自転車事情』を、今回の「防災と自転車」特集に合わせて再読した。そこで紹介していたのは地震発生から2か月すぎてもなお、自転車が活躍しているというエピソードだ。

災害ボランティアで活躍するXtracycle社のカーゴバイクの姿は特にまぶしく、「沿岸部では未だにクルマで入っていけない場所があります。作業目的地まで資材や道具を一度に運べるカーゴバイクは、ボランティアの方たちが利用する機会がこれから増えると思います。被災者の買い物の手伝いにも利用したいですし、コミュニケーションツールになればと期待しています」と語る災害ボランティアセンターの方のお話も印象的だった。

2011年と比較するとEカーゴバイクの普及が進み、日本でも(海外には及ばないものの)身近な存在になりつつある。2024年は、「cycle no.44」(2020年夏号)の特集「21世紀のはたらく自転車」で紹介した三輪のEカーゴバイク「STREEK」が量産スタート。被災地を駆ける自転車が進化するかも!?

3.11の被災地でも活躍したはたらく自転車「Xtracycle」

1998年創立のXtracycle社は、カーゴバイクの一つ「ロングテールバイク」のパイオニア。普通サイズの自転車の後輪を外し、全長を伸ばすロングテール・キットを組み込むことで、より少ない部品でたくさんの荷物を積めるシステムを考案した。東日本大震災ではガソリンが枯渇した被災地で、荷物や子どもたちを載せて走れる災害ボランティア仕様の「はたらく自転車」として活躍!
ride2rock.jp

日本発の電動カーゴバイク「STREEK Cargo Trike」

Photo by Beatnik Photo Studio

2024年春に発売開始となる電動アシスト三輪カーゴバイク「STREEK Cargo Trike」。独自のアラウンドフレーム採用と、車両中央に配置した大容量のカーゴスペースにより、「載せる」「吊るす」の2つの積載が可能。日本の生活環境に適したサイズ(普通自転車サイズ)でありながら、従来の自転車にはない積載性&安定性を実現した。低重心で重量物の運搬にも対応。2022年には、災害時や救急医療シーンでの活躍を想定したコンセプトモデル「STREEK EMB」を発表。非常時、都市部の初動活動で役に立つ日も近いはず!
stroke-design.com

text by 杉谷紗香(cycle編集部)
紙面掲載日:2024年1月19日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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