マディソン突撃レポート! no.46 競輪ホテルに行ってみた! 日本初、ホテル一体型スタジアムが岡山県玉野市にオープン!と聞いて、現地に向かったマディソン。2022年3月26日、玉野競輪場がリニューアルするのに合わせて開業した「KEIRIN HOTEL 10」は、瀬戸内海を一望できる“泊まれる競輪場”。内覧会をレポート!

text by マディソン(ライター)

「KEIRIN HOTEL 10」8階のスイートルームでくつろぐマディソン。5階以上の部屋はテラス付き。 keirin-hotel10.com

「KEIRIN HOTEL 10」は競輪の新時代を先走っている。自転車好きなら間違いなく泊まりたくなるロケーションで、ホテルを見つけた瞬間からワクワクが高まっていく。

まず、このホテルが位置するのは「瀬戸内国際芸術祭」の玄関口と呼ばれるJR宇野駅&宇野港から1.4km。港からは人気の直島ほか、アートな島々へのフェリーが出ていて、ほとんどのフェリーに自転車を持ち込みできるので、アート&自転車な旅の拠点にも最適だ。

 

「KEIRIN HOTEL 10」のエントランスサインは、旧競輪スタンドの椅子を再利用。競輪ファンの心もくすぐるデザイン。

客室からのビューは、瀬戸内海の美しい島景はもちろん、部屋から競輪場のバンクを鳥瞰できるという、ここにしかない景色が迎えてくれる。部屋のバルコニーからもサウナ付きの大浴場からもバンクが丸見え。スタッフの方からは、「朝、起きた時に窓を開けとき、朝練でバンクをぐるぐると走り回っている選手たちを見て、パワーをもらえました」という話も伺った。

スイートルームは特別で、部屋の内風呂の窓を全開にして競輪場の景色を楽しめる贅沢さ。天井から吊るされているシャンデリアは何と!本物のレースに使われた自転車フレームでできている。
  そんな風に、ホテル内のインテリアやアメニティも自転車好きの心をグッと掴む。ルームウェアは競輪選手のユニフォーム風で、部屋内のハンガーも自転車の車輪のフォルム。競輪選手が身につける車番カラーの9色もインテリアのあちこちに見つかる。ワンポイントのデザインやディテールから自転車への愛情が伝わってきた。
 

ホテルバルコニーからの景色。競輪場の先に瀬戸内の海が見える。

また、デザインのサスティナブル性を重視しているのも好印象で、競輪場メインスタンドのリニューアル時に出た廃材などをうまく取り入れ、環境負荷を低減。競輪ファンの記憶と文化を大切にしながら、新しい形の競輪場を作り上げている。

そう!驚いたのは、競輪選手も同じホテルに泊まること。下の階が宿舎になっているのでレース開催中は選手も同じ建物に滞在するし、隣接した建物内に選手控室や車体検査を行う広い部屋もある。ルール上、レース期間中に選手と観客が接することはないが、レースの雰囲気にときめきを感じられそう。
 

ホテル内、エレベーターのあるフロア案内は競輪の車番カラー!

  ちなみに、ホテルに泊まらなくても新しい施設は十分堪能できる。ホテルとともに新設されたスタンド棟には、快適な有料観覧席や室内の無料観戦席があり、レースや練習風景を見ながら飲食できるスタジアムレストラン「FORQ」もオープン。施設内には授乳室やベビールームもあるので子ども連れで行っても安心できる。

レース期間に来られたらエキサイティング!だし、レースのな日も何らかの形で練習する地元選手の走りが見える。バンクを走る選手を間近で見ながらリラックスしてすごせるなんて、自転車好きファミリーにはたまらない。次に来るときは絶対に泊まって、自転車気分を満喫したいな!
 

スタジアムレストラン「FORQ」は瀬戸内の食材を中心にしたメニューやスイーツが豊富。地元のクラフトビールやワイン片手に観戦も。自転車パーツを使ったインテリアにも注目。

 
紙面掲載日:2022年4月28日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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