世界の自転車ニュース no.57 人生はまるで自転車。アフリカで感じた心地良い人生の走り方 ザンビア共和国・ムワプラ地域
text & photo by うえやまあつし(旅する写真家)
一方、ルサカからクルマで2時間ほど離れた、ロシナンテスが活動を行う中央州ムワプラ地域の状況は異なっていた。ひとたび雨が降れば川のような濁流と化す未舗装路が多い状況だが、人口の割には自転車が多い印象。徒歩が移動手段のベースとなっている中で、自転車は移動や運搬手段のための貴重な乗り物として活躍している。農作物や料理に使う炭を市場などに運搬するほか、学校への送迎、病人を診療所へ運ぶ際にも使われているようだ。
自転車の多くは、かつて日本の魚屋や八百屋が行商で使っていたような実用車系。ただ、ブレーキやペダルは外れてしまっているものが多い。クルマが頻繁に通る場所ではないため、徒歩や自転車のペースで暮らしが動いているようにも感じる。のどかな光景だ。
自転車に乗るように自分で自分の人生を走れると、どんなに心地良いだろう。そんなことを考えるきっかけになったザンビア滞在だった。
紙面掲載日:2023年4月28日
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