連載

Summer2023

no.58

WEB掲載日

2023年9月20日

マディソン突撃レポート! no.51 旅先はクリティカル・マス

「宮崎のクリティカル・マスに参加したいんだけど、大阪から自転車で行く方法ってある?」。そう話すマディソンに、「フェリーなら行ける!」と即答した編集部オスギ。今回は、2人の自転車旅の模様をお届け!

協力/フェリーさんふらわあ www.ferry-sunflower.co.jp

text by マディソン(ライター)

今年3月最終金曜に開催された「クリティカル・マス宮崎」にて、出発前の記念写真。今回は特別編、都城市内でライド♪ 写真:SOUNDBOARDING クリティカル・マス宮崎 Instagram:@criticalmassmiyazaki

クリティカル・マスを目的に、自転車旅をしてみない? 世界各地で300都市以上に広がる「クリティカル・マス」は、自転車ユーザーの地位向上や自転車の利用促進を訴えるムーブメント。ネーミングは物理化学用語からで、自然に集まってくるたくさんの自転車乗りで道路がいっぱいになる“臨界質量”を生み出し、街に変化を生み出そうという趣旨。

「フェリーさんふらわあ」乗船前に記念写真! 夕方発、翌朝着で、往復ともフェリーで1泊するのんびり旅。 写真:SOUNDBOARDING

 “デモ”だと勘違いされることもあるけど、本来は、自転車好きが気軽に集まることのできる、お祭りのような雰囲気の“場”。「交通を構成する一員」として、車道を走る自転車も、より安全に安心して走れるようにするためにライドする。だから、主催者も招待状もない。必要なものは自転車だけ。

日本の都市でも大阪、京都、名古屋、東京、横浜、札幌、静岡、宮崎などで開催中。今回は、あえて遠く離れた開催地を選ぶのがおもしろいと考えて、宮崎のクリティカル・マスに参加してみた! クリティカル・マス開催日の前夜、大阪の南港から「フェリーさんふらわあ」に乗り込み、翌朝、鹿児島の志布志港に着いたら宮崎へと走る、自転車×フェリーの旅だ。

「クリティカル・マス宮崎」の呼びかけ人のみなさん。左から元メッセンジャーで現在は宮崎でスコーン専門店「PARK miyakonojo」を営む忍者(甲賀達巳さん)、甲賀さんのお子さん圭人くん、マイマイ(甲賀麻衣子さん)、「Sugarhands BikeWorks」鍋倉史一さん。

昨年4月、宮崎に住む甲賀夫妻が、宮崎最初のクリティカル・マスを呼びかけた。二人は東京のメッセンジャー会社で出会い、ニックネームは「忍者」と「マイマイ」。メッセンジャー業界の友人も多い。

2021年12月の「FukuokaLOCO」でクリティカル・マスの存在を初めて知った二人は、「移住した宮崎でも自転車の楽しさを共有したい」との想いを宮崎の自転車店「Sugarhands Bike Works」の店長・鍋倉さんに相談してコラボが実現!クリティカル・マス宮崎が生まれた。
ヨーロッパの自転車界での経験をもつ鍋倉さんにも、「カジュアルに自転車に乗る文化を広げたい」という想いがあり、忍者とマイマイに共感。クリティカル・マス参加者の反応も良く、初めて車道を自転車で走る人も多いそう。

参加者に配られるスポークカードには「自転車を楽しく」という呼びかけ人の想いが! 写真:SOUNDBOARDING

私たちが参加した3月最終金曜のクリティカル・マス宮崎は、特別編として都城市で開催された(いつもの開催地は宮崎市内)。スタート地点は、都城の繁華街にある「まちなか広場」。忍者とマイマイの後ろについていきながら、初めて訪れる街で知らない道を走るのが楽しくて、気持ちが一気に高まる。
都城は盆地なので基本的に道は平坦。北へ2kmほど走ると大きな鳥居が見えてきた!

志布志港から都城までは約37km。地元サイクリストに人気の「志布志線ウェルネスロード」を快走! 写真:SOUNDBOARDING

「都城の総鎮守といわれる神柱宮(かんばしらぐう)です。今日のライドはここがゴール。毎年7月にここで開催されるおかげ祭りは、燈籠山車や御興渡御の迫力たっぷり!」とマイマイ。こんな風にライドしながら地元の話も聞けるなんて、クリティカル・マスの旅を選んで良かったなと思う。
この瞬間のためにフェリーでの旅を選んで、自転車で走ってきた。フェリー旅では快適に移動しながら一泊できるし、現地に着くと朝からMY自転車でどこまでも行ける。「こういう旅、もっとやってみたい!」って、大阪へ戻るフェリーで盛り上がった。全力でオススメ!
 
紙面掲載日:2023年7月28日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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