連載

Spring2021

no.49

WEB掲載日

2021年7月21日

特集「はじめてのじてんしゃ」 教える側もちゃんと知ってる? 子どもと学ぼう はじめての変速機

こぎ出しや坂道でラクに走れる「変速機」付きの自転車。最近は、子ども用のスポーツバイクに変速機が搭載されることが増えてきた。実は、変速機をちゃんと使いこなせている人って、大人でも意外と少なく、「一番軽い変速で、ずっと乗ってる」なんて人も。ここでは外装変速機の使い方を中心にご紹介。まず大人が理解してから、子どもに伝わる言葉で教えよう。

変速機って何だろう?

はじめに、変速機のことをお勉強。なぜ使うの? 使うとどうなるの? 子どもの素朴な疑問に答えてあげよう。

ここにあるよ

後ろのホイールの真ん中からぶら下がっているパーツが「変速機」の本体。それを動かすためのパーツ「シフター」は、ハンドルのブレーキの近くに付いているよ。

何のためにあるの?

「変速機」は自転車をラクチンにする道具。ペダルを軽くしたり重くしたり、スピードを速くしたり遅くしたり、上手に使えばいろんな道をスイスイ走れるよ。

ギザギザ=ギア

ラクチンに走れる秘密がギザギザの「ギア」。後ろのホイールの真ん中にあるギアを、変速機で大きなギアに変えるとペダルが軽く、小さなギアにすると速く走れるよ。

STEP① 変速のコツを知ろう

変速するときに覚えておきたいコツをご紹介。4つのポイントをおさえると、スムーズに安全に変速できる。

❶ すこしずつ

ギアには軽いものから重いものまでいくつかあるよ。変速するときは、「1→3」のように間にある2段目のギアを飛ばさずに、「1→2→3」と少しずつ変速するようにしよう。

❷ はやめに

変速は“早め”が大事。少しでも「ペダルが重たいな」「ペダルが軽いな」と思ったらすぐに変速しよう! できれば、そう感じる前に変速すると、もっとラクに走れるよ。

❸ ちからをいれずに

変速するときは足の力を抜いて、ペダルを軽く回すように。力を入れたままガチャン!と変速すると、チェーンが外れたりしてキケン。立ちこぎしているときも危ないよ。

❹ こいでいるときに

必ずペダルをこいでいるときに変速しよう。止まっているときにシフターを動かしても変速しないよ。無理やり変速しようとすると、壊れることもあるから気を付けて。

ヘンソク豆知識

『ここで紹介している「外装変速機」ではなく、後輪の回転軸パーツに変速機が入っている「内装変速機」の場合は、止まっているときにも変速できる。』

STEP② 変速機の使い方って?

変速機を軽くしたり、重くしたり、実際どんなときに操作すればいいの? 信号と坂道を例に解説。

【軽くするとき】

『どんな変速機でも、ペダルが一番軽くなるのは「1」のギアにしたとき。
信号で止まったとき、坂道をのぼるとき、荷物が多いときはペダルを軽くすると、ラクに走れるよ。』

【重くするとき】

『変速機の数字が増えていくと、ペダルが重くなる。6段変速の場合は「6」が一番重いギアだよ。
スピードが安定してきたら、ペダルを重くすると、より速く走れる。』

STEP③ 安全に練習しよう

変速するタイミングや操作のコツを覚えるまでは、走りながら安全に操作できる場所での練習がベター。

【さいしょは】 近場の公園

変速機の操作に慣れるための練習は、近くにある公園でゆっくりと走りながらやってみよう。変速機の操作に集中したいときは、人通りの少ない場所を選んで走ってね。

【なれたら】 交通公園

実際の道路のように信号や標識のある交通公園。信号でのストップ&ゴーで変速をうまく切り替える練習にぴったり。周回コースのある公園では速度を上げる練習もできる。

【もっと】 サイクリングロード

坂道での変速機の使い方は、アップダウンを含むサイクリングロードで練習しよう。サイクルスポーツセンターなど自転車に特化した公園の周回コースなら、より安全。
text by 杉谷紗香、眞田健吾(いずれも編集部) illustration by 吉田彩子
紙面掲載日:2021年4月23日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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