自転車の楽しさを伝えたい。福島県いわき市に拠点誕生 「いわき自転車文化発信・交流拠点 ノレル?」 noreru-iwaki.jp

施設は約200平米と広々。家の形をしたスペースが並ぶのもユニーク。

2021年11月7日(日)、福島県いわき市に「いわき自転車文化発信・交流拠点 ノレル?」がオープンした。

「自転車を通して、楽しみ、喜び、笑顔になる。笑顔が人をつなぎ、人と人が地域をつなぎ、性別や世代、障がい者も健常者も、一人ひとりが輝ける場所になることを目指しています」と語るのは、同施設のディレクターを務める権丈泰巳さん。観光案内機能のほかに、自転車文化の発信やコミュニケーション拠点としての機能を持つ施設だという 。
 

家の一つが椅子とテーブルが備えられた「ワークルーム」。

提供しているサービスは、取材時点では、自転車の修理やメンテナンスの自転車店としての機能。今後は自転車の試乗や販売に加え、レンタサイクルの提供も予定されている。イベントも頻繁に開催されており、東京2020パラリンピックでパラサイクリング日本代表チームのメカニックを務めた梅澤和功さんによる「メカニック教室」、スポーツバイクの安全・快適な乗り方を教える「初心者のためのスポーツバイクスクール」、補助輪卒業の練習をスタッフがサポートする「補助輪はずし教室」など、ビギナーに向けたイベントが多いのも特徴だ。

また、読書や宿題、 ワーケーションに使える「ワークルーム」、キッチンを備えた「ダイニングルーム」なども備え、さまざまな用途で利用できる設備が整っている。「いわき 市は自転車のハード整備は進んでいましたが、ソフト 整備はこれから。ソフト整備を進める拠点として『ノレル?』が開設された経緯があります。 この施設から自転車の楽しさを伝えていければ」と権丈さん。

「ピットルーム」ではメカニックマンが自転車修理に対応。

続けて、いわき市×自転車で実現したいと語るのが、クルマの渋滞をなくすための自転車通勤の促進だ。「空きテナントやビルを活用してサテライトオフィスやシェアオフィスを作り、そこまで自転車通勤してもらいたいと思っています。自宅から5~10km、走って20分以内の場所にオフィスを設けることで、自転車通勤のハードルも下がるはず。自転車で当たり前に生活できる街にしたいですね」。

公共交通機関の選択肢が少ない地方では、クルマが主流になりがち。自転車のメリットだけではなく、楽しさを伝えることで自転車利用を促すアプローチがすばらしい! いわき市で自転車好きが増えますように。
text by 眞田健吾(編集部)
紙面掲載日:2022年1月14日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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