マディソン突撃レポート! no.47 夢のような自転車の時間 今年3月26日、大阪府堺市に移転リニューアルオープンした「シマノ自転車博物館」。大仙公園にあった前身の「自転車博物館サイクルセンター」の時代から、このミュージアムが大好きだったというマディソンと、開館から数か月経った6月中旬、博物館を訪れた。

text by マディソン(ライター)

「シマノ自転車博物館」で、自転車の進化の歴史をたどる展示室を見学するマディソン。「自転車の背景に写真があるから、当時をイメージできて良いね」。 www.bikemuse.jp

リニューアルで内容がかなりアップグレードしたとの噂の「シマノ自転車博物館」は、夢のような自転車時間だった!移転先は南海電車の堺東駅から徒歩5分ほど。ガラスを多用した外観は太陽の下、光っているような明るい印象だ。
 

2階展示室の「パノラマシアター」。歴史的な自転車にスポットを当てる劇場のような空間。

館内に入ると、広々としたエントランスホールに歴史的な自転車コレクションが展示され、写真撮影スポットもある。堺の街と自転車の関係がわかる展示も見学できて、出だしからワクワクする。受付近くには手ぬぐいや自転車柄の文房具などが並び、オリジナルグッズに目移りしながら入館券を買う。大人は500円、高校・大学生は200円、中学生以下と65歳以上は無料と、充実したコンテンツを誇るミュージアムなのに入館料がリーズナブルなことに驚いた。
  ゲートをくぐって展示室に入ると、自転車の歴史をたどる映像「自転車の誕生とあゆみ」の上映コーナーが迎えてくれる。音声は英語吹き替え版も選択できてうれしい。ここで自転車のヒストリーを軽くおさらいすると、200年以上に渡って人気を保ち続けている自転車への感動が素直にわいてきた。時を経て愛されるマシンって本当にステキ!
 

小さなバネまで展示!自転車のものづくりを支える最新技術に迫る内容も。

次の展示室へと続く通路の壁面に、共感するメッセージが大きく書いてあった。「自分の力で思うがままに進み行きたい場所へ好きなペースで行ける限りなく自由な乗り物自転車」―。この言葉、とても心に響いた。それにしても、今回のレポートで館内のすべてを書ききるのは難しいほど、膨大な展示の数々。2階の大空間では実車と映像を交えて自転車の歴史をよりくわしく紹介する「パノラマシアター」が展開され、続く「自転車のひろがり」コーナーでは現在使われている部品に、ユニークな自転車の展示も多いので、見る価値のあるものが盛りだくさん。

4階の特別展示室では『自転車の旅・様々なかたち』を2023年3月20日まで開催中。旅人の言葉にパワーをもらえる。

でもね、今回の訪問で一番グッときたのは「クラシック自転車試乗体験」。これはミュージアムから少し離れた大仙公園の「自転車ひろば」で定期的に実施されていて、取材日にもちょうど実施中。試乗できるレプリカ自転車は一人乗り用が4種類、二人乗りが5種類あり、ミュージアムで勉強してきた自転車の歴史を振り返りながら、歴史の古い順から乗ってみた。
 

「クラシック自転車試乗体験」でドライジーネに乗るマディソン。体験は毎月第2・4日曜と祝日で大人200円、高校・大学生、65歳以上100円、中学生以下無料。

まずは1817年、ドイツで発明された「ドライジーネ」に挑戦。ペダルがない、キックバイクのような乗りもので、ひじかけに体重をかけて行うハンドリングがなかなか難しい。次に挑戦した「オーディナリー自転車」は前輪が大きく、乗るのにコツが必要だけど、転ばずにコースを5周できただけで大満足。難易度が高めなのは「スターレーソーシャブル」。前1輪、後2輪で、ペダルを回す代わりに足で台を踏んで進む。ダウンヒルで乗る以外は歩いた方が速い!?ミュージアムに行くなら、レプリカ試乗体験もぜひ一緒にね! 
 
紙面掲載日:2022年7月28日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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