表紙コラム

Spring2023

no.57

WEB掲載日

2023年6月12日

ナンセンスマシーンと自転車 「明和電機」

土佐社長の愛車は、パナソニック製の折りたたみ電動ミニベロ「OFF–TIME」。明和電機の製品には自転車パーツを使ったものも多いとか(本紙2 面のインタビュー参照)。今秋開催の「明和電機ナンセンスファクトリー展 in 呉」(9月16日〜11月5 日/呉市立美術館)では学生時代の作品も展示されるので要チェック! 撮影:行竹亮太
www.maywadenki.com

ある日、SNSで1枚の写真を見て、カッコ良さに釘付けになった。投稿主はアーティスト・明和電機。コンテナ地帯を背景に、彼らの看板製品「パチモク(ユビパッチンで木魚を鳴らす楽器)」を背負って仁王立ち。しかも自転車から給電してライブ中!? いつから彼らは自転車ライブをするようになったのだろう。今年デビュー30周年を迎えた明和電機のアトリエを訪ね、土佐信道社長にインタビュー!

名機「オタマトーン」とともに出迎えてくださった土佐社長に、例の“自転車ライブ写真”について聞いてみた。「2021年にお台場臨海地域を紹介するコンテンツを作った時に撮影した1枚ですね。パチモクへの給電は、後付けで搭載した100Vバッテリーからです。最近のバッテリーはかなり小型化しているので、カスタムは簡単。100Vあればどこでもライブができるんじゃないか?と、試してみたらうまくいきました」。
それにしても、明和電機と自転車の組み合わせは意外な感じ。どちらかというと、流線形のレトロなクルマが似合うイメージ……と伝えると、自転車派な答えが返ってきた。 「僕にとって自転車といえば、“つんつんツノダのT.U号♪”。T.U号は僕が子どもの頃に一世風靡したフラッシャー自転車で、非常にあこがれていました。当時は買ってもらえなかったですけどね。いま、通勤で使っている電動自転車のスマホホルダーにスマホを取り付けると、T.U号のようなエレクトロさが加わってカッコ良くなるんですよ」。

さらに、土佐社長が学生時代に暮らした茨城県つくば市は、自転車の似合う街だったそうで、「“ペデストリアン”という48kmもの自転車歩行者道が市内中心部を縦断していたので、在学中はどこへ行くにも自転車でした」。フラッシャー自転車にあこがれ、ニュータウンで学び、中小電機メーカーに“擬態”する明和電機。インタビューは2面に続く
text by 杉谷紗香(編集部)
紙面掲載日:2023年4月28日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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