仕事と遊びとサイクリング!尾道でワーケーション促進 「ONOMICHI SHARE × BETTER BICYCLES」 onomichi-share.com

朝10時、朝の光が心地良い「ONOMICHI SHARE」。単発利用のドロップインは2時間550円(税込)。ロッカーとシャワールームを完備し、リモートワークとサイクリングをうまくスイッチしながら仕事できる。

近ごろよく耳にする「ワーケーション」。テレワークを活用して、観光地やリゾート地で働きながら休暇をとるワークスタイルのことで、国内のさまざまな自治体がワーケーション誘致に乗り出すなど、少しずつ浸透の兆しが見えている。そんな流れの中、広島県尾道市で「自転車×ワーケーション」を推進する取り組みが今春、本格的にスタートしたと聞き、3月、拠点となっているシェアオフィスを訪れた。

左からONOMICHI SHAREコンシェルジュの後藤さん、BETTER BICYCLES店長の馬場さん。「この街で暮らす人、遊ぶ人、営む人とこの場所で出会って、みなさんの仕事の新たなベースを尾道で作ってもらえたら」。

2015年にオープンした「ONOMICHI SHARE(オノミチシェア)」は海に面した倉庫の2階に位置し、尾道水道を眺めながら仕事できるロケーションの良さが自慢。取材時も、窓からきらめく海が見えて、こんな景色を横目に仕事できたら快適だろうなと想像がふくらんだ。「全フロアWi-Fi完備なので、その日の気分に合わせて窓辺やソファなど、お気に入りの場所で仕事してもらえますよ」と案内してくれたのはONOMICHI SHAREのコンシェルジュ、後藤峻さん。「利用者は地元の方から、移住検討中の県外の方、そして単発で飛び入り利用される方までさまざま。いろんな背景をもつ人が集う場所なので、たまたま居合わせた人同士の情報交換も活発です。ワーケーションをすることで仕事と遊びの視野を広げてもらえたらと、コンシェルジュ業務を通して幅広い提案を行っています」。

通称“ベタバイ”の「BETTER BICYCLES」。バイクパッキングやキャンプライドのアイテムと魅力を提案。

自転車×ワーケーションを大きく進めることとなったのは2020年10月、ONOMICHI SHAREと同じフロアに自転車店「BETTER BICYCLES」が移転オープンしたのがきっかけ。店長の馬場秀雄さんは、ワーケーションでの“遊び”の面を充実してもらおうと、レンタサイクルの提供とともに、デイキャンプやピクニックとサイクリングを組み合わせた提案に力を入れる。「大切なのは“自転車+α”の楽しみ方。店内ではハンモックや自転車で運べるキャンプアイテムを扱うほか、YouTubeで『ベタバイチャンネル』を開設して、尾道周辺のアウトドアの楽しみを動画で発信しています」。

「BETTER BICYCLES」のレンタサイクルは1日2,200円(税込)〜で、お得な連泊プランあり。小柄な方も乗りやすいミキストや、荷物を運べるカーゴバイクもセレクトOK。1日1,100円(税込)でキッズバイク(対応身長:115〜130cm)もあり。

後藤さんも馬場さんも口をそろえて、「気分を変えるのに、島が良いんです」と笑顔で語る。馬場さんは、「しまなみ海道にゆめしま海道、とびしま海道と、尾道を起点に足をのばしたい目的地は、選びきれないほど多彩です。ビギナーから走り慣れた人まで日程に合わせてサイクリングを組み込めますよ」と“自転車の聖地”ならではの魅力を語る。

コーヒー野点ライドも! 自然派ロースタリー「BICYCLE COFFEE」のコーヒー豆やマグカップ、ボトルなども取り扱う。

後藤さんは、「フェリー輪行をすれば自転車で行ける範囲がグンと広がるし、何より船の“非日常感”がイイですよね。異文化にふれて、何ここ、おもしろい!って気持ちがブーストすると、仕事の取り組み方にも良い影響があるんじゃないでしょうか。滞在中、たくさんの異文化にふれるお手伝いをしたいと願っていますし、今後は滞在のプランニング段階での事前相談にも応じる予定です。さらに、シェアオフィス利用とレンタサイクル、宿泊を組み合わせたワーケーションプランも計画中です」。働く+遊ぶをバランス良く楽しめる拠点のこれからに期待したい。
text & photo by 杉谷紗香(編集部)
紙面掲載日:2021年4月23日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
関連記事