ついに!タンデム自転車が全都道府県で走行可能に タンデム自転車の公道走行が全国解禁
タンデム自転車とは、サドルとペダルが2つある二人乗り自転車。二人が前後に乗車し、息を合わせて各々のペダルをこぎながら走る。ハンドルとブレーキ操作を前の席に乗る人が担当するため、視覚障がい者でも後ろの席に乗るとサイクリングを楽しめるメリットがある。障がい者自転車競技・パラサイクリングでは、視覚障がい者の競技用自転車としてタンデム自転車が採用されており「東京2020パラリンピック」で見かけた人も多いのでは。
魅力の多い自転車だけど、以前は道路交通法や各都道府県の規則によって公道でタンデム自転車に乗ることは原則禁止とされていた。1978年に長野県が解禁したことをきっかけに徐々に全国へ。ここ10年で解禁の流れが加速し、交通事情の複雑さを理由に最後に残っていた東京都が今年ついに解禁。約45年を経て日本全国で走れるようになったのだ。
解禁を推進してきた日本自転車普及協会の田中栄作専務理事は、「ようやく全国解禁となりホッとしています。これで県境を気にする必要がなくなり、タンデム自転車にとって日本が地続きになりました。親子や友人で乗れば、新しいコミュニケーションのきっかけになりますし、障がいをもつ方だけではなく、多くの人に楽しんでほしいと思っています。旅行やレジャーの分野でも広まる可能性があるのではないでしょうか。とはいえ、タンデムはまだまだマイナーな自転車ですし、安全に乗るにはコツが必要。各種団体と協力して試乗会を開催したり、乗り方をレクチャーしたり、当会が運営する『自転車文化センター(東京都品川区)』で企画展を開催するなど、さまざまな活動を通じて広めていきたいと考えています」と、これからの展望を語る。
障がい者も健常者も関係なく、多くの人が楽しめるタンデム自転車は、まさにバリアフリーな乗り物。そして、走れるエリアもバリアフリーに!笑顔で二人乗りを満喫する姿が当たり前になれば、日本の景色が明るく変わりそう。今後の広がりに期待大!
紙面掲載日:2023年10月27日
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