サイクルおすすめBOOK 夏のフランス、沿道で感じる“特別な3週間”の道しるべ「旅するツール・ド・フランス」 www.ohtabooks.com
text by 杉谷紗香（cycle 編集部）
「旅するツール・ド・フランス」
小俣雄風太 著 2,420円 税込（太田出版）
自転車の世界を知った人なら、その願いを心に浮かべてしまう“あこがれ”の気持ちはきっと伝わるはず。筆者も同様で、2012年の夏に夢を叶え、ベルギーのリエージュでツールの初日と2日目を観戦した。印象に残っているのはレースそのものよりも、レースを見守る「沿道」の光景。
街を通りすぎていくレースを、一瞬でも良いからこの目で見ようと集まる人、人、人！ あふれんばかりの強烈な熱気と、街中に響きわたる歓声に、“やっぱりツールは特別なんだ”と、全身で感じさせられた。
次は本場フランスでツールを…と願ううち、手元に届いた本書は「こんな旅をしてみたい！」と気持ちに火が付く一冊だった。著者の小俣さんはcycleでもツール関連の記事でおなじみの自転車ジャーナリスト。
2023年のツールで全21ステージを追いかけ、フランス全土を駆け巡ってまとめたこの旅行記は、道中の宿やグルメ、出会った人々とのエピソードがレース以上に満載。知られざるフランスの片田舎が“熱狂”に巻き込まれていく様子を、美しい写真と筆致で綴っている。
紙面掲載日：2024年7月19日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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