特集

Spring2025

no.65

WEB掲載日

2025年6月27日

“妄想”でもOK! 本当に好きな自転車生活を思い描こう 特集「できるかな?自転車移住」後編
できるかな?自転車移住

自転車で走ると最高な「絶景」の近くで暮らしたい。「通いたい場所」に行き来しやすい圏内に住みたい。もっと自転車に乗りたくなる「生活拠点」を作りたい。そんな、自転車生活を充実させるための移住って?移住検討中のギモンを解決するヒントをお届け!

自転車で走ると最高な「絶景」の近くで暮らしたい。「通いたい場所」に行き来しやすい圏内に住みたい。もっと自転車に乗りたくなる「生活拠点」を作りたい。そんな、自転車生活を充実させるための移住って?移住検討中のギモンを解決するヒントをお届け!

移住って、何から始める? cycle編集部の「移住」

「そうだ、移住しよう!」。そのひらめき、どうやったら実現できるかな? 自分たちに合った移住を考えるヒントになればと、cycle編集部の移住体験談をお届け! 編集長オスギは大阪から広島・尾道に移住して5年目。ヨコイ&マミ夫妻は3年前に大阪から尾道に移住後、今春、新たな地へ移住したばかり。

オスギ
ヨコイ
マミ

最近びっくりしているのは、自分に届く移住相談が増えたこと! 去年はほぼ毎月、「私も移住を考えてるんです」って自転車つながりの方から連絡をもらうほどで、やりとりの後で実際に移住した方も多い。「自転車×移住」に対する関心の高さを感じてます。
ただし、この特集は「尾道移住に特化した内容ではない」という前置きをさせてもらいつつ、さまざまな体験談が誰かの移住をそっと後押ししたら良いな、と思っています。では、“移住を考えたきっかけ”から話を進めましょうか。

そうですね。移住って、単なる引っ越しではなくて、「環境をガラリと変えたい」という想いが背景にあると思うんです。
僕たちの中でその想いが強くなったのはコロナ禍2年目の2021年。カナダに移住した友人とオンライン通話した時に「移住ってどうなん?」という話題になったんです。当時、僕は勤続16年目で変化がほしい時期。リアルな移住話を聞いたことで、移住ってアリかも!?というモードに。

カナダは私たちも新婚旅行で訪れていて、現地でマウンテンバイクにたくさん乗った思い出の場所。そこから国内・海外どこに住んでみたい?という話題になって、カナダはもちろん、雪が楽しめる長野や、おだやかな海が心地良いしまなみ海道を“妄想”レベルで思い浮かべていました。

妄想レベルで、って大事ですね。やりたいことから移住のイメージを膨らませていく感じ。私も、2019年に短期留学したニュージーランドに惚れ込んで、現地で見た景色や暮らし方に近い場所は国内だとどこだろう?って妄想したのが移住計画の始まり。

オスギさんもそうだったんですね〜。僕らはもう一つ、自転車でやりたい遊びが「気軽にできる場所」で暮らしたいという想いもありました。
たとえば、僕らが好きな「ラーメンライド」は、アウトドア用バーナーを使って外でお湯を沸かしてラーメンを作って食べるシンプルな遊び。でも、大阪の都心部だと屋外でバーナーを使える場所がそもそも少ない。その後、しまなみ海道でラーメンライドをやってみたら、海沿いの絶景とともに気軽に楽しめて最高だった!

思い立ったらすぐ行動に移せる環境に身を置く大切さを思い知ったよね。

その流れで、外でコーヒーを淹れて遊ぶ「コーヒーアウトサイド」も楽しむようになって。大阪に住んでいた頃はカフェに出かけて気分転換していたけど、移住したら大好きなコーヒーも自転車ともっと組み合わせられるんじゃないかと感じました。

自転車移住を考えるのは本当の“好き”を見直す機会

ふむふむ。「やりたいことができている自分」のイメージを具体的に持てると移住のイメージも一気にふくらみますよね。そこから移住先を尾道に絞った理由は?

一番は、輪行旅で訪れたしまなみ海道の生口島に惚れ込んだこと! その旅でサイクリングした時の気分爽快レベルが段違いに高かったことに感動して、もっと頻繁に遊びに来たい〜!って盛り上がったんです。

それで同じの年の11月、2回目のしまなみ輪行旅に出かけました。この時、移住することはほぼ決めている状況で、先に尾道移住していたオスギさんに会いに行って体験談を聞けたことも大きかった。結果、「尾道、イイやん!」と二人とも心が決まり、翌年1月に家を探し、5月に移住完了!

めっちゃスピーディ! ところで、移住確定のネックは「家」と「仕事」だとよく聞きます。私は自営業で、コロナ禍以降に仕事がフルリモートワークになったので、大阪時代の仕事をほとんど移住先に持って来れたけど、お勤め先があった二人の場合は?

移住前は二人ともフルタイム勤務で、夫は体調を崩してペースダウン中。私自身はスキルアップのため資格取得を決め、勤務先を辞める決断をしたタイミングでした。

僕が元気な頃はダブルインカムだったけど、その頃は妻が稼いで家計を、僕は家事で暮らしを支えるスタイルに変更。「今はお互いができることをやっていこう」と割り切って、お金をかけない移住を目指しました。

「お金をかけない」って具体的には?

移住後は化粧品や外食にかける金額を減らし、服もスポーツMIXなスタイルにして買わないようにしたらライフコストが下がり、家計面の不安が減ったのも良かった! 何より一番良かったのは、「遊びにお金がかからなくなった」ことですね。

そして、「本当に好きなことは何だろう?」とか「何でこんなに稼ぐ必要があるのかな?」と改めて考える時間を持つことができたのもかなり大きい。移住を機に一度立ち止まり、変化を生み出すことに気持ちを切り替えることができたというか。

ホント、そうなんです。しんどかった時期も後で振り返ると、「こういう時期」だったと分かるように、良い・悪いはないんだな、って。だから移住のカタチは人それぞれで良いし、ある程度期間を決めて“留学”的にやってみるのもアリじゃないかな。「移住してみたい」と思えるなら、きっとできる! チャレンジしてみる人生を推したいです。

僕たちの尾道移住は一区切りして次の街を選んだけど、「帰ってきたい場所・また会いたい人」が増えたのは何よりの財産!

移住は大事なモノ・コトを見直すチャンスですね。自転車大好きな人生に幸あれ♪

特集記事を読んで、自転車移住についてもっと深堀りしたくなった? そんな読者のみなさんのためのオンライントークライブが開催決定! 全員が移住経験者というcycle編集部ならではのリアルな移住話とともに、自転車移住のさまざまなギモンにメンバーが直接お答えし、未来の自転車移住計画をサポートします♪

直接質問OK! 自転車移住トーク

6月29日(日)20:00〜21:00 予定/cycleのInstagramアカウント @cycleweb_jpでオンラインライブ配信
移住経験者のcycle編集部ヨコイ・マミ・オスギがトーク!

text & illustration by 杉谷紗香(cycle編集部)
紙面掲載日:2025年4月26日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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