マディソン突撃レポート! no.42小さな“街”で自転車練習を 「子どもが一人で安全に自転車に乗る練習をする場所って、どんなところがある?」。今回のマディソン突撃レポートは、そんなギモンからスタート。3歳になる娘さんに安全な乗り方と交通ルールを教えるため、マディソンが向かったのは「交通公園」。一体、どんな公園なんだろう?

text & photo by マディソン(ライター)

西宮交通公園で自転車練習中のマディソン親子。カラフルな街並みを安全に走り、交通ルールを学ぶ。撮影日:3月17日

3歳になるマディソンの娘さん、ヘルメットをかぶってスタンバイ! 信号も並ぶ店もミニチュアだが、本物の街のような景色。

待ち遠しい春が来た。ますます外に出たくなるし、実際、自転車に乗る時間も増えている。家族そろって自転車で出かけるとき、3歳の娘を子乗せシートに乗せて街中を走る。ただ最近は、娘も一人で自転車をこげるようになり、そして「何でも自分でやりたがる時期」のようだ。そろそろ一人で自転車に乗せたいけど、私の住む大阪市内には安全に自転車に乗れる場所が不足しているのも事実。そこで、交通ルールや安全な乗り方を練習できる場所を関西エリアで探してみたら、見つかったのは交通公園。今回は自転車をもって大阪を飛び出して、娘と一緒に西宮市の「西宮交通公園(久保公園)」を訪れた。

公園内のメインストリートと、街並みの全景。街並み遊具の周辺にはたくさんの遊具があり、園内サイクリング以外にも遊びがいっぱい。入園無料なので、気楽に何度でも、子どもと遊んで学べる。

幼稚園や保育園に通う年頃の子どもたちが親子で大勢遊びに来るこの公園には、ミニチュアの“街”がある。街の中には歩道がたくさん配されて、歩道沿いにはお店、郵便局、交番、カフェなど、一般的な街にあるものは、ほとんど何でも再現されている。西宮市の市制45周年記念でできた公園のため、開園して今年で50年! 街並みを再現したエリアは2019年に塗装改修が行われていて、古びた印象はなく、爽やかでキレイ。メインストリートが公園の真ん中を通り、それを横切る道や外周の道があり、大きなループを描くように街の中を走ることができる。交差点には信号機が設置され、横断歩道のゼブラゾーンや自転車通行帯もすべての角にある。道沿いにはたくさんの道路標識が立てられている。リアルな街の雰囲気に、子どものテンションが急上昇するのがわかる。
街並み遊具のほかには、砂場にシーソー、新幹線などの昭和感たっぷりなオブジェが園内にたくさんあるので、娘は自転車に乗ることよりも遊具に夢中になってしまった。それでも、ほかの未就学児が二人ほど、ヘルメットをかぶって自転車にまたがり、コースをぐるぐると何度も回っていた。キックバイクにまたがった小さい子もスイスイと周回。道路には黄色や白色のラインも引いてあるので、走ると本物の街にいるような気分。交通ルールをある程度知っている子どもなら、道路上のラインの種類を教えるチャンスだろう。

「この標識は何に気をつけたらいい?」。カラフルな標識の壁の前で。子どもと会話しながら道路標識の意味を学ぶ。

西宮交通公園の特徴の一つが「道路標識」の数。道沿いにずらっと並ぶほかにも、標識だけを集めたカラフルな壁もある。壁に標識がたくさん貼ってあるだけのようにも見えるが、実は標識の種類ごとに分類されている。黄色い菱形の警戒標識、赤い丸や青い丸の規制標識、「自転車横断帯」などを示す青い指示標識も分類されて並んでいる。「この標識は“気をつけて”という意味だけど、何に気をつければいい?」と標識を見ながら娘にたずねると、「石が落ちてくる」「人が働いている」「クルマが危ない」とすべてイメージ通りに答えることができた。さすが、ピクトグラムの意味は3歳児にもきちんと伝わる。
メインストリートを自転車で走った後、娘は砂場に夢中になり、公園遊びを堪能。今回の滞在で標識の意味をマスターでき、交差点での左右確認は2回ほど成功したけど、安全に走る練習が途中段階。あと5回ほど来て練習すれば交通ルールや知識は身につくだろう。入園料は無料だから、また気軽に遊びに行こうと二人で約束して、帰路についた。
紙面掲載日:2021年4月23日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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