インタビュー WONDER WORKS 清水裕紀子さん〈前編〉
モフモフの毛深いモンスターたちが自転車界隈に出没中!?「リフレクターモンスターズ」と名付けられたこの怪物は名前の通り、反射して目が光る。生みの親のグラフィックデザイナー、WONDER WORKS・清水さんへのインタビュー〈前編〉は、モンスターが生まれたきっかけを聞いてみた。

「WONDER WORKS」主宰の清水さん。Grumpy Bike Shop(広島市)でのPOP-UPにて。
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- cycle編集部
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- WONDER WORKS・清水さん

ベロの出たモンスターが「リフレクターモンスターズ」。小ぶりの方が「鈴モン」。
C今日はこのモフモフの怪物たちの誕生秘話を聞かせてください。
Wもちろんです! モンスターは現在2種類いて、一つは2022年に誕生した、大きな目が反射して光る「リフレクターモンスターズ」。もう一つは2024年に誕生した、熊鈴に棲む小さなモンスター「鈴モン」です。
熊鈴は、グラベルやMTB、登山で山に行く方にはおなじみのアイテムですが、「音が鳴ってほしくない時」ってあるじゃないですか。そんな時、鈴の中にあるベロの動きを磁石の力でピタッと止めて、消音します。
C鈴モン、小さくてもデキるやつ! ところで、清水さんの自転車歴は?
W今でこそヒルクライムしたりグラベルを走ったりしていますが、元はインドア派。転機はコロナ禍を機に我が家へやってきた自転車ブームでした。夫はロード乗りで、コロナ禍の最中に会社までジテツウをスタート。同時期には子どもも自転車に乗れるようになり、それなら私も自転車がほしい!とGIOSのクロスバイクを2020年に買いました。家族でしまなみ海道やビワイチに挑戦したり。

「リフレクターモンスターズ」の最初期のラフ画。手足がある!
WONDER WORKS
Instagram: @wonderworks_designandgear
C家族で楽しめるのはいいですね!
Wクロスバイクに乗った時は、「なんて軽いんだ〜」って感動しました。実家が山の方にあったから“自転車ってしんどい”というイメージだったので。また、自転車のモチベーション維持のために読み始めた漫画『弱虫ペダル』にもドハマリしました。
Cちなみに、“推し”は誰ですか?
W総北の手嶋さんです。2022年にロードバイクを買った時、本当は手嶋さんと同じキャノンデールに乗りたかったけど合うサイズがなく…。選んだピナレロは身長の低い私の体型にも合うフレームで気に入っています。
C自転車にハマったのがきっかけで「リフレクターモンスターズ」も生まれたんですか?
Wそうですね。最初は「リフレクターみたいなモノがほしいな」っていう思い付きでした。でも、“人と同じモノは使いたくない”という天の邪鬼な気質もあり、ひらめいたのが「サドルにぶら下がっていたらかわいい、リフレクターの付いた生きもの」。そのアイデアを手芸店で思い付き、イメージをふくらませて手縫いで試作したのが始まりです。

narifuriコラボも登場!
2025年春夏シーズンに、narifuri別注モデルのリフレクターモンスターズが登場! 2024年にスタートした新コレクション「NFC(ネイチャー・フィールド・クラブ)」での展開。narifuriオリジナルのファー生地が短毛なので、モフモフ抑えめのスリム体型。全4色。
www.narifuri.com
Cそこからどうやって商品化を?
W私と同じタイミングで自転車を始めた妹と当時、カフェを目的地にしたライドをよくしていて。ある日、兵庫の西宮にあるカフェ「フクモナ」に試作1匹を連れて行ったらフクモナの店主、Fukuzoさんに「ナニソレ、ほしい!」って言っていただけて、フクモナさんを中心に手売りしたらSNSで反響があり、今までに1000匹以上を世に放ちました。
Cなんと、1000匹以上も! すごい〜!
W私のピナレロが黒いフレームで、いかにも速そうなルックスですが、モンスターを連れていると“ガチ感”が薄まるのも良いんです。
Cインタビュー〈後編〉では、世に放たれたモンスターが生み出す新しいコミュニケーションについて伺っていきます。お楽しみに!
紙面掲載日:2025年1月31日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です