マディソン突撃レポート! no.43 サスティナブルな交通公園 京都市北区にある「大宮交通公園」が今年4月にリニューアルオープンしてから、さまざまなメディアの注目を集めている。そこで、前回取材した西宮交通公園に続いて、交通公園突撃レポート第2弾!子どもの自転車教育の役に立つ日本初の公共施設をマディソンとともに訪れてみた。

text by マディソン(ライター)

園内の自転車店「Kon’s Green Park」にて。自転車教室で使うビブスを手にしたKON’S CYCLEの近藤大督さんとマディソン。 https://omiya-trafficpark.com/

公園は入園無料。緑いっぱいのメインストリートには、子どもが認識しやすいよう低めに設定した信号や標識が並ぶ。木陰が多く、園内で子どもを遊ばせながらピクニックを楽しめる。

「大宮交通公園」の歴史を振り返ってみると、50年以上も前、地域の方が京都市に土地を寄付してできたのが始まりだ。当時、クルマ社会だった京都の街の風景に合わせて、園内はゴーカートが特徴的な子どもの遊び場になった。京都で育った人の多くはこの公園でゴーカートに乗った懐かしい思い出があるという。ただ、時代の様相が変わりつつある現在は、持続可能性の必要性と、環境にやさしい交通手段としての自転車の振興を反映し、公園の運営方針がくっきりと変化。ゴーカートを廃止して自転車を中心に見据えた今年の大規模リニューアルとなった。

キックバイクを楽しむ編集長オスギの次男。園内で自転車を利用するにはMY自転車を持ち込むか、遊び心満載の「おもしろ自転車」をレンタルしよう(感染拡大防止のため貸出休止の場合あり)。

園内には、交通ルールを学べる設備だけでなく、小さな規模だが持続可能な街が実現されている。「まち」「里山」「森」の3エリアに分けられ、「まち」には新しくキレイな歩道や道路、駐輪場、信号機、サイクルショップのほか、間近で訓練を見れる消防署などもある。「里山」には子どもたちが楽しむ遊具だけでなく、リニューアル工事で切り倒した園内の木を再利用して作った、クライミング遊具のようなベンチのようなオブジェが点在し、さらに立派な花が咲く藤棚まである。「森」に入る とワイルド感が残る緑の中を散策できる。そのほか、豊臣秀吉が築いた史跡「御土居」の一部が園内に現存し、その上も歩けるので歴史好きにはたまらないだろう。

「数年ほど前から、京都市は自転車政策にかなり力を入れています」と語るのは、園内に店舗を構える京都の自転車販売チェーン「KON’S CYCLE」営業企画室室長の近藤大督さん。京都市と連携し、自転車教育やマナーに関するさまざまなプロジェクトに協力しているKON’S CYCLEだが、近藤さんは、「やはり販売店として売り上げを考えるだけではダメな時代。自転車教育の面でしっかりお客様をサポートするのも自転車店の仕事だと考えています」と語る。

園内で実施する自転車教室は10クラスもあり、子ども向けからシニア世代向けまで対象年齢が幅広いのも特徴。

特に力を入れる自転車教室は、緊急事態宣 言中は開催を休止していたが、公園内での開催と、保育園・幼稚園などへの出張開催の二本柱で実施している。公道走行デビュー前の子どもをもつ親が抱える、「ヘルメットはかぶせるべき?」「どこで、どうやって走り方や ルールを教えればいい?」といったリアルな悩みに基づいた自転車の知識を、楽しいゲームを通じて伝えながら、近藤さんをはじめとするKON’S CYCLEのスタッフが安全な乗り方をレクチャーし、好評を得ている。

また園内には「おもしろ自転車」のレンタルもある。パンダ顔の三輪車や消防車の形をしたものなど、見た目で楽しく選べるおもしろ自転車は、30分300円でレンタルできる。園内の道路で交通ルールを「おもしろく学ぶ」というスタイル、良いね! 公園の管理に携わる コミュニティセンターの十塚さんに話を伺うと、「オープン時に100%完成している、という園ではなく、これからこの地域のコミュニティに関わるみなさんと力を合わせながら企画を進め、よりよい公園にしていきます。5年後、10年後と公園がどのように変わっていくのかご期待ください」と未来のサスティナブル・パークについて前向きなビジョンを持っているのが、なんとも頼もしい。再びこの公園を訪ねる日が楽しみだ。
 
紙面掲載日:2021年7月21日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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