特集

Winter2023

no.56

WEB掲載日

2023年3月8日

特集「運びたいものQ&A」コラム 「デリバリーバッグ」の中身どうなってるの? プロに聞く

コロナ禍を経て、急成長したフードデリバリー業界。大きな平箱に入ったピザ、アツアツのうどん、冷たいドリンクなどなど、フードデリバリーサービスで取り扱うメニューは温冷問わず、かなり幅広い。そこでギモンなのは、街を走る配達員さんが使っている、あの“四角い”デリバリーバッグ。商品収納のコツは? バッグの機能性は? 自転車配達中の工夫は? 都内で6年以上、配達員を務めるベテランにバッグの秘密を教えてもらった。

デリバリーバッグの中身は快適に運ぶ工夫がいっぱい

「バッグに収まるサイズで準備したり、モレにくい容器を採用したりと、お店側も工夫してくださいます。配達員は、いかに荷くずれさせず、迅速に配達できるかを一番に考えています」

話を聞いた人「ケムシさん」

都内在住のサイクリスト。2016年からデリバリーサービスの配達員を務め、愛車のシングルスピードバイクで街を駆け抜ける。「LOOK製 のErgostemを使って、配達用にハンドルの角度調整をしています」。妻でイラストレーター・EBIさんのマンガにも登場し、Instagramで二人の自転車生活を発信中!
boutique-ebi.tokyo
 

愛用のバッグ

「デリバリーバッグへのオマージュで生まれたManhattanPortage×BEAMSのレコード用バッグパック。サイズや重さは一般的なデリバリーバッグとほぼ同じ。内側に入れる断熱素材のボックスや仕切りは、ジャストサイズで自作してカスタムしています。ほか、会社のロゴ入りも所有」


アルミ素材で断熱

「バッグに断熱ボックスを入れると、こんな感じ。フタも断熱素材で自作しました。こだわりは、『サバイバルシート』と呼ばれるアルミ蒸着シートの中でも、NASA向けに開発されたレベルのものを使っていること。安価なものもありますが、NASA仕様のシートは断熱効果が段違い!」


シート使いを工夫

「バッグの中で商品が動かないようにするには、薄手のサバイバルシートをクシャクシャと入れます。ボックスの中に隙間ができないようにするのが荷くずれ防止のコツ。また、出し入れの度にカサカサ音が出てしまうのを防ぐため、カサカサ音が少ないサバイバルシートを選んでます」
 


傾き防止のゴム板

「容器からのこぼれ・モレを防ぐにはバッグを水平に運ぶのが第一。でも、自転車に乗ると、どうしてもバッグ内に傾斜ができてしまう......そこで、僕の場合は底面にゴム板を仕込んで、傾きをできるだけ抑える工夫をしています。また、自転車本体にも前傾姿勢になりすぎない工夫も」
text by 杉谷紗香(編集部)

紙面掲載日:2023年1月20日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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