スター・オブ・ライフ STREEK Cargo Trike「STREEK EMB」

「STREEK Cargo Trike」は2024年2月から一般販売受付開始! 実車は東京・東麻布の「RIAN CARRY」にて展示・販売予定。写真の救急医療モデル「STREEK EMB」が実現する日も近い!? Photo by Beatnik Photo Studio
stroke-design.com

“いつかやらなきゃを、いまやろう”――その言葉を掲げて、今号の特集「防災と自転車」を準備してきたが、まさか元日に大地震が起き、防災意識が一気に高まるタイミングと発行時期が重なるとは思いもしなかった。

能登半島地震により被災されたみなさまに、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

表紙に登場した赤い“はたらく自転車”は、今春発売となる横浜発の電動アシスト三輪カーゴバイク「STREEK Cargo Trike」の救急医療コンセプトモデル「STREEK EMB」。フレームに装備したORTLIEB製パニアバッグには、世界中で使われている救急救命のシンボルマーク「STAR OF LIFE」が描かれ、いますぐにでも救急現場に駆けつけられそうだ。

「やっぱり最後は自転車しかないと思っています」と語るのはSTREEKのデザイナー、岡本崇さん。

「STREEK EMBを作ろうと考えたきっかけの一つは、阪神淡路大震災での被災経験。当時は神戸市西区に住んでいて、電気やガスの復旧は割と早かったけど、水道の使えない期間や、ガソリン不足が長引きました。残念ながらガソリン車には出番がなく、被災地で活躍できるのはリアルに自転車だけ、という状況を目の当たりにした経験は大きいです」。

Photo by Beatnik Photo Studio

「STREEKのデザインを通して強く感じたのは、“自転車にできることは、もっとある”ということ。自転車という“発明”を発展させ、もっと新しいものを作っていけるのでは、と考えてEMBモデルを具現化していきました」。

AEDやAIDキットなど大容量の積載を可能にし、大型のEバイク用バッテリーや、荒れた路面も走れるブロックタイヤを装備した。

自転車が災害時や救急医療の現場で活躍するシーンは、ヨーロッパでは既に生まれているそうで、「サイクルレスポンダーという、自転車で駆けつける救急救命士がイギリスやスペインで普及しています」と岡本さん。

「クルマの進入できないエリアが都市部に多いため、必然的に自転車が選ばれた背景もありますが、日本でも早く導入すべき。台数に限りある救急車より費用をおさえて迅速に出動できるし、免許不要で年齢制限もないという自転車のメリットを見直したほうが良い」と語る。

困った時に自転車を頼れる未来って、希望だ。

text by 杉谷紗香(編集部)
紙面掲載日:2024年1月19日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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