人と人をつなぐ、コミュニティを広げる自転車のあり方 特集「街とコミュニティバイク」前編 街とコミュニティバイク
ジテツウなどの移動手段、スポーツ、旅——。自転車の存在は暮らしのあちこちに浸透したけど実は、もっとできることがあるんじゃない!?そこで今回は、コミュニティを生むツールとして自転車の可能性を考えてみた。街で活躍する「コミュニティバイクの世界」へ、ようこそ!




京都市役所前に小さな“屋台”が登場! 市庁舎前広場で毎月第3金曜に開かれるイベントに屋台家たちと参加している。
Facebookグループ「モバイル屋台つくろう・たのしもう」を通じて京都市内各所で活動する屋台家の一人。社会福祉士、介護福祉士として高齢者や地域支援に20年以上携わり、ママチャリで京都市内を駆け巡る。ビール原料のホップ栽培を通したコミュニティづくり「エビバデ京ほっぷ」をはじめ、社会課題の解決を目指したまちづくり活動を実践中。
www.facebook.com/groups/5365121040180729



10年モノの相棒ママチャリにモバイル屋台の木箱を取り付け、どこでも出向いていく橋本さん。箱の大きさはA4サイズにしたのがこだわり。屋台を荷台に取り付ける部品は、「コロナ禍の時、デリバリーサービス用に仕入れて余っていたのを自転車店で譲ってもらいました。ワンクリックで固定できて便利!」

モバイル屋台の組み立てシーン。土台となる木箱からパーツを取り出して組み立てる。「布の屋根を取り付けた瞬間、一気に屋台っぽくなる」と笑う。屋台の設計は、ホームセンターで買える材料で作る方法を思案して仲間と生み出したオリジナル。橋本さんの活動名義「WOW!」ステッカーを貼ってカスタム。
誰もが小さな「屋台家」になれる
3分で設営完了! 折りたたみ式の「モバイル屋台」を河川敷や商店街などで出して小さなイベントを行う「屋台家」が京都市内で急増中だが、その火付け役の一人が橋本さん。社会福祉士として地域の課題解決に20年以上関わる橋本さんは、ホップ栽培を通してつながり作りを行う「エビバデ京ほっぷ」を2019年にスタート。翌年、コロナ禍を機に「自分たちから出かけて行こう」とモバイル屋台を作製し、自転車の荷台を屋台化する試みも。「活動で生まれたホップ茶をふるまって、苦いお茶だね〜と笑いあう時間を共有する。ただそれだけなのに、おもしろがってたくさんの人が声を掛けてくれた」と手応えを感じた。
モバイル屋台があれば、自分にできることをきっかけに新しい場を生み出せる――その魅力に惹かれた屋台家たちが街のあちこちで新たな風景を生み出している。

10年モノの相棒ママチャリにモバイル屋台の木箱を取り付け、どこでも出向いていく橋本さん。箱の大きさはA4サイズにしたのがこだわり。屋台を荷台に取り付ける部品は、「コロナ禍の時、デリバリーサービス用に仕入れて余っていたのを自転車店で譲ってもらいました。ワンクリックで固定できて便利!」

モバイル屋台の組み立てシーン。土台となる木箱からパーツを取り出して組み立てる。「布の屋根を取り付けた瞬間、一気に屋台っぽくなる」と笑う。屋台の設計は、ホームセンターで買える材料で作る方法を思案して仲間と生み出したオリジナル。橋本さんの活動名義「WOW!」ステッカーを貼ってカスタム。

横浜マリンタワー芝生広場に、移動式ビール公園が出現! 芝生の緑に、公園の遊具のような黄色いカーゴバイクが映える。
横浜のクラフトビール会社で勤務していた二人で2024年、ビールを通じたまちづくりを提案するPR会社「横浜ファンカンパニー」を設立。クラフトビールのPRやイベント企画のほか、横浜ビアバイクで巡る醸造所ツアー、ビール付きランニングクラブの運営など、ビールの造り手とお客さんの新しい関係づくりにも挑戦中。
yokohamafuncompany.com



三輪のカーゴバイクは台湾製。屋台はコンセプトとともに建築家の小泉瑛一氏(all your city)に制作してもらった。ポップな見た目が評判で、ベーカリーなど、これまでビールとの関わりが少なかった業種とのコラボも増えた。

ネオンサインが加わることで、お店感が一気にUP! カーゴバイクがアイコンとなる店舗で、ポップアップ什器としての引き合いもあるそう。写真は「NEWoMan横浜」のイベント風景。
行った先が“公園”になる!?
中で、最初に思い描いたのは「芝生と子どもと自転車のある風景」と話す横内さんと工藤さん。PRの仕事は裏方になりがちだけど、カーゴバイクがあればどこでも、つながりたい人たちと一緒に楽しめるシーンを作ることができる!と導入を決意した。
公園の遊具をイメージした車体デザインはポップでかわいらしく、“大人が遊んでいる”雰囲気。ビールサーバーは取り外しが可能で、ビールの販売出店だけにとどまらず、ポップアップ什器としての出動も。「カーゴバイクは何かやりたいと思った時にすぐ始められる気軽さが魅力。同じスタイルでお店を営むカーゴバイクを集めたマーケットの運営もやってみたい」と夢は尽きない。

三輪のカーゴバイクは台湾製。屋台はコンセプトとともに建築家の小泉瑛一氏(all your city)に制作してもらった。ポップな見た目が評判で、ベーカリーなど、これまでビールとの関わりが少なかった業種とのコラボも増えた。

ネオンサインが加わることで、お店感が一気にUP! カーゴバイクがアイコンとなる店舗で、ポップアップ什器としての引き合いもあるそう。写真は「NEWoMan横浜」のイベント風景。

紙面掲載日:2025年1月31日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です