レポート

Autumn2021

no.51

WEB掲載日

2021年12月19日

畑で広がる、つながる。Bike to Farmの実験 「eirin 丸太町店 Hatena? Farm」(京都市) www.sports-eirin-marutamachi.com
Instagram: @eirinmaru

畑に集合したスタッフ&ファーム仲間たち。収穫を手に記念撮影。

京都市の自転車店「eirin 丸太町店」。別館としてオフロードバイクやアウトドア用品を扱う「サイクルハテナ」も併設するなど、幅広い自転車の楽しみ方を発信する同店だが、今年2月に始めた試みが「Hatena? Farm」。えっ、自転車店が畑!? 9月某日、畑へと向かうスタッフに同行させてもらった。
 

取材時にはスナップエンドウのタネまきや、紫イモを植える準備なども。すぐ裏は産直を併設する「里の駅 大原」。

自転車で1時間ほど走って到着したのは左京区大原。店から約15kmしか離れていないが、里山と田園が広がるのどかなエリアだ。「HATENA FARM」と書かれた看板が立つ小さな畑には、たわわに実ったオクラやキュウリ。どれもタネや苗から育てた野菜だそう 。

たくさんのオクラと初獲れキュウリが本日の収穫。

「シンプルに楽しそうだからやってみよう!って感じで。畑とサイクリングってのが自分たちらしいかな」と笑う店長の南部真さん。農業にくわしいスタッフはいなかったが、雑草だらけの畑にクワを入れ、手探りでスタート。現在は同店のお客も畑仕事に加わり、ファーム仲間は約15名に。基本はスタッフが手入れしつつも、いつ、誰が作業してもいい自由参加スタイル。年間3,500円の会費で、なんと収穫まで自由だとか!

畑の近くにはこんな風景が。スタッフのみなさんに案内してもらい、大原サイクリングも満喫した。

「野良仕事も楽しいですが、僕たちは店のサイクリング企画で初心者を連れて来やすいし、ファーム仲間のお客さんは周辺の山を走ったり、川釣りに出かけたり。ここを拠点に遊びが広がっています。自転車はあくまでプロセス。自転車を使って生活をどう楽しくするか?そんな提案の一つですね。

街と山が近い京都ならではの提案。“農”に自転車をプラスすることで、楽しみも、人とのつながりも広がっている。「コロナ禍が落ち着いたら収穫祭をしたい! 収穫した野菜をみんなで食べるキャンプツーリングもしたいなぁ」。見学だけも歓迎とのこと。気になる方ぜひは畑へ!
text by 眞田健吾(編集部)
紙面掲載日:2021年10月22日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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