オスギのしまなみ自転車暮らし no.05 「1%」を作ることから 自転車熱が高じて、尾道へ移住した編集長スギタニが、暮らしの視点から、自転車で楽しむしまなみ海道の魅力をつづる連載。第5回は自転車に乗ることのモチベーション維持と、短時間でも行きたくなる海辺のピクニックの話。

送迎後、朝のティータイム。相棒はコゼバッグの一人用シート。

「1% Better Every Day」という考え方がある。1日24時間のうち、1%にあたるのが、「約15分」。その1%を積み重ねていけば、いつか大きな変化になる、というもので、何かに挑戦したい時、モチベーションを保つための支えになる。心のハードルも下がるから、今年何か始めたい人にオススメしたい。

冬のしまなみの海はキラキラ!朝のうちは特におだやか。

たった15分、されど15分。短く感じるかもしれないけど、最初のうちは短いぐらいがちょうど良い。大事なのは、その15分をどう作り出すか。そして、何に、どう使うか。私はもっぱら、「海辺のピクニック」にその1%を使っている。

朝、保育園に子どもを送った後、遠回りして海辺を目指すのだ。カゴには、家を出る前に紅茶を入れておいた保温マグ。個包装のクッキーも数枚。そして、海を見ながら朝のティータイム。あ~、良い時間。それがだいたい15分。この「1%」があるだけで、1日を終えた時の満足度が全然違う。

お茶セット。IKEAのミニ缶はフタにフチ付きで皿代わり。

この「満たされる感じ」は、やがて「ないと困るもの」になっていき、最初はお茶を飲むだけだった15分に、朝ごはんも食べる日、ストレッチする日、読書する日、音楽を聞く日、と楽しみのバリエーションが増えていく。楽しくて、1%が4%(約60分)になる日も。たった1%でも、「自分の楽しみを大事にできている」という実感は心の満足につながるから、その1%のために今日も自転車に乗る。
text & photo by 杉谷紗香(編集部)
紙面掲載日:2023年1月20日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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