[コラム] 元メッセンジャーかく語りき ② 「パズィテーブリ―前向き」 元メッセンジャーの自転車店スタッフが、メッセンジャーへの思いを自由に語る特別コラム。2本目は、名古屋の「Circles」に勤めるもんじゃさんが語る、写真を通して感じた視点の変化について。
最初の研修で「とりあえずここ回ってきて」と渡されたリストには、ガーデンプレイスや西麻布交差点、テレビ局、印刷工場など、よく行く配達先が20~30か所書かれていた。特に指示されたわけではないけど、その時に各場所で撮った写真がいまも残っている。
そもそも、自転車より都市や建築に興味があってメッセンジャーを始めたこともあり、毎日、東京を観光気分で走ってはスナップ写真を撮っていた。けれど、当時はまだスマホもなければ、SNSもない時代。撮りっぱなしでどこかにアップすることもなく、自分で見返すこともなかった。その後、さまざまな写真管理アプリの登場によって過去の写真を整理し、簡単にアクセスできるようになって、ようやくこれまでのフォトアーカイブを見返すことができた。
その頃は新人研修も担当していたから、いろいろな新人と接する機会があった。すぐ辞めてしまうメッセンジャーも多い中、仕事が続く人とそうでない人の違いは、毎日の仕事後に「きょう、こんなおもろいコトあったんですよ~」と報告してくれるかどうかだった。
これはおそらく、どんな仕事でも、どんな生活でも一緒だと思う。フレッシュな視点で、常に変化していく世界に興味が持てるかどうか。自分のそういう”記録”と”記憶”が残るフォトアーカイブをたまに眺めてニヤニヤすると同時に、外に出す機会を伺っている。
書いてくれた元メッセンジャー
もんじゃ
元ソクハイ&アローメッセンジャーサービス。現在はCirclesで勤務しつつ、バイクロア実行委員会としても活動。
Circles circles-jp.com
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