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Summer2021

no.50

発行日

2021年7月21日

サイクルおすすめ CINEMA 緊急事態宣言下の東京 ペダルをこいで見えた景色は 「東京自転車節」 tokyo-jitensya-bushi.com

青柳拓 監督 制作/水口屋フィルム、ノンデライコ 配給/ノンデライコ 2021年7月よりポレポレ東中野(東京)、第七藝術劇場(大阪)ほか全国順次公開予定

コロナ禍で急増した自転車配達員の姿。彼らの生活はどのようなものなのか? 2020年3月。地元・山梨でのバイトを失い、生きるために緊急事態宣言発出中の東京でUber Eatsの配達員を始めた若き監督によるセルフドキュメンタリー。友人宅やホテルを転々としつつ配達に明け暮れる監督だが、仕事は彼が想像していたものではなかった。

コロナで加速する若年層の貧困や他者とのコミュニケーション不足など、現代社会の問題が垣間見えるが、決して悲惨な空気にならないのは、監督の人柄がとにかく魅力的だから。誰かを批判したり大げさに悲嘆したりすることもなく、出会った人にも、出会わなかった人にも優しいまなざしを向ける。そしてひたすらペダルをこぐ。そんな明朗な監督も、やがて追い詰められ狂気の部分をのぞかせる…。

YouTuber的アプローチで、GoProやスマホを駆使して撮影した映像は疾走感たっぷり。監督の青柳氏は大学の卒業制作で撮影した『ひいくんのあるく町』が全国公開され、また美術手帖にて2020年代を切り拓くアーティストの一人として選出されるなど、今後の活躍が注目されている。
text by 足立知子(編集部)
紙面掲載日:2021年7月
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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