サイクルおすすめ CINEMA 緊急事態宣言下の東京 ペダルをこいで見えた景色は 「東京自転車節」 tokyo-jitensya-bushi.com
コロナで加速する若年層の貧困や他者とのコミュニケーション不足など、現代社会の問題が垣間見えるが、決して悲惨な空気にならないのは、監督の人柄がとにかく魅力的だから。誰かを批判したり大げさに悲嘆したりすることもなく、出会った人にも、出会わなかった人にも優しいまなざしを向ける。そしてひたすらペダルをこぐ。そんな明朗な監督も、やがて追い詰められ狂気の部分をのぞかせる…。
YouTuber的アプローチで、GoProやスマホを駆使して撮影した映像は疾走感たっぷり。監督の青柳氏は大学の卒業制作で撮影した『ひいくんのあるく町』が全国公開され、また美術手帖にて2020年代を切り拓くアーティストの一人として選出されるなど、今後の活躍が注目されている。
紙面掲載日:2021年7月21日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です