ツイードと自転車を鍵に豊かな長浜の魅力を発信!「The Tweed Picnic in NAGAHAMA 2021」 2021年11月3日(水・祝) at 長浜市(滋賀)
dondonbashi.com/tweedpicnic

イベントは今回で6回目。感染症対策のため従来のマーケットはなかったが、各地からサイクリストが訪れた。

秋の湖北、長浜で開催された「The Tweed Picnic in NAGAHAMA」。会場の豊公園には、湖を背景に小粋なツイードファッションのサイクリストたちが集合! 英国発祥のツイードランは、クラシカルなツイードのウェアに身を包んで走るサイクリングイベントだが、こちらの服装規定はゆるく、何か一つでもツイードのものを身に着けていればOK。参加費や予約も不要という気軽さだ。
 

大学の授業で作ったスーツで参加のお二人。レトロな自転車もすてき。

「丈夫なツイード生地は野良着でもあるので、もっとカジュアルに着てほしい。一方でドレスコードに縛られず、より多くの人が参加してくれる方がうれしい」と語るのは実行委員会の竹村光雄さん。その思いもあって、以前はサイクリング主体のイベントだったが、親子連れや自転車に乗らない人も楽しめるよう、ピクニックがメインとなっている。公園には特設カフェがオープンし、湖畔にはピクニックシートを広げる家族たち。
 

クラシカルな自転車で湖畔を走る。

定刻になると、のんびりとサイクリングスタート。湖を眺めながら走り、商店街を散策。自転車がやっと一台通れるほどの路地を抜けると、目の前には、せせらぎに小さな橋がかかる絵本の中のような景色が開けた。こんなすてきな場所があるなんて! ちょっと感動しながら1時間ほどの散走を終え、再び公園に戻ってリラックス。
 

ピクニックを楽しむ人たちも。


実際に走ってみると、長浜にはレトロな洋館や古い街並みなど、ツイードと自転車が絵になる風景が点在することに気づいた。

「この街にはアトリエDENというツイードで有名なテーラーがあって。そちらのご主人をはじめ、スタッフはグラフィックやWEBのデザイナー、造り酒屋、建築家、アウトドアガイドなど、さまざまなプロが集まっています。普段は遊び仲間ですが、それぞれの得意分野を活かし、長浜の魅力を発信できないかと考えたとき、ツイードを着て走るイベントを思いついたんです」。

そう語る竹村さん自身は、空き家再生を中心に、まちづくりや地方創生に関わるお仕事をされている。ロゴや会場設営、ノベルティ製作など、すべてプロが本気で遊んだ手作りのイベント。そしてスタッフのフレンドリーな雰囲気が、そのまま反映されていて、とても和やかな一日となった。

ツイードを個性的に着こなすスタッフの皆さん。

「長浜といえば黒壁スクエア周辺が有名ですが、すぐ近くに琵琶湖があり、美しい湧き水も、水鳥や魚が遊ぶ川もある。そのすばらしさを伝えなくてどうするんだって(笑)」。竹村さんは、今後、長浜をピクニックタウンにすべく、その拠点として「BIWAKO PICNIC BASE(nagahama36.com/picnicbase)」 を立ち上げた。人々が集うシェアスペースを拠点に、ピクニック用具や自転車のレンタル、イベント企画などを行う。「行政を巻き込んで、さらにおもしろいことができたら」。今後の展開に期待が高まる。  
text by 足立知子(編集部)
紙面掲載日:2022年1月14日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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