湘南の地で出会った自転車とサーフィンとアート

「UNCLE RINNE ART EXHIBITION & Bike Chill Market -Outdoor Living Life-」
2025年3月8日(土)~16日(日)at 湘南(神奈川)
企画/JICHO Instagram: @jicho1216

text by ラスカル(編集者)

『CMWC 2023 Yokohama』を通じてつながった発起人の次長さん(写真左)とアーティストのリンネさん(写真右)。イベントの詳細は次長さんのInstagram (@jicho1216)をチェック。

小学生が通学する時間帯(むしろそれより早く)から、ウェットスーツに身を包んだ老若男女が、サーフボードをサイドのキャリアに固定したビーチクルーザーに乗り、同じ方角へと向かう。当たり前に海のある暮らしを享受する地元組と、海のそばの生活を求めた移住組が共存する街、湘南・鵠沼海岸。その地の人気ショップ・California General Storeで、「自転車」と「サーフィン」と「アート」のカルチャーがクロスオーバーするイベントが開催された。

初日は藤沢出身・カオくん(Instagram:@kaos_8816)が企画したグループライドもあり、とりわけ多くの観客が集まった。

同イベントの企画は、横浜・クリオシティに長年所属したメッセンジャーで、『CMWC2023 Yokohama』ではレースやパーティーをオーガナイズした次長さん。これまで数々のイベントを手がけてきた“場づくりの達人”によるイベントの目玉コンテンツとなったのは、すべての自転車を愛するヒゲのキャラクター「uncle_rinne (アンクルリンネ)」の展示だ。
「今回のイベントのテーマに合わせて描いた新作と、過去に発表したものをサーフィン仕様にした作品が展示の半分ぐらい。初日に作品を買ってくれた人が、『いままでサーフィンしかやらなかったけど、自転車もいいですね』と言っていたのが良かったですね」(リンネさん)。

出店者&参加者含め、大小・個性豊かなデンマーク生まれのカーゴバイク「オムニウム」が多数ショップに展示された。

そしてオープニングイベントには、カーゴバイクと絡めてバッグ・家具・ケーキ・サンドイッチなど、さまざまなアプローチで表現するショップやクリエイターたちが集結。来場者含め、同じ感覚や価値観を持つ者同士で交流を図る姿が印象的だった。

自転車のカルチャーは時に閉鎖的で、それゆえの深さはおもしろみでもあるけれど、真にカルチャーを成熟させるためには、ジャンルを横断した先でのモノ・コト・ヒトの化学反応が必要不可欠。その点で今回のイベントは興味深い試みであり、互いの“好き”を認め合い、高め合う雰囲気が心地良い。
California General Storeで生まれた熱に浮かされて天候がバグったのか、イベント初日の鵠沼海岸は、この地に住む人もびっくりするほどの粉雪が街に降り注いだ。
text & photo by ラスカル(編集者)
Instagram:@rascaaaaal
紙面掲載日:2025年4月26日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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