レポート

Autumn2021

no.51

WEB掲載日

2022年1月3日

帰ってきたVELOFrankfurt 自転車フェスを堪能
VELOFrankfurt 2021年8月21日(土)&22日(日) atフランクフルト(ドイツ) www.velofrankfurt.com

text & photo by 小畑和香子(ライター)

VELOFrankfurtのテストトラックにて。持ち上げられる軽さの小径E-BIKEは男性の人気も高い。

長引くコロナ禍で、春から秋口に集中するドイツの自転車メッセ(見本市)のスケジュールは、去年も今年も大きく影響を受けている。 2年連続して開催を断念する見本市もある中、「VELOFrankfurt」は8月下旬、第6回目となる一般向けメッセの開催にこぎつけた。
 

試乗者登録を済ませ、バンドを手に巻いてもらうキッズ来場者。


開催と時を同じくして、ドイツ国内では新たなコロナルールが施行。来場者はオンラインのみで販売されたチケットに加え、ワクチン接種証明、感染からの快復者としての証明、24時間以内に実施したコロナ検査の陰性証明の3つのうちいずれか一つを提示して入場することとなった。

1日2部制、各4時間という限られた時間内で、マスクを付けた6000人もの自転車ファンたちは、屋外に設置された60スタンドが紹介する100種類のブランドを実際に手に取る機会を得た。
 
スタンドを取り囲むように設置された400mのテストトラックでは、ブームに沸くE-BIKEは30種類、また個人用・業務用とも購入補助金制度が後押しするカーゴバイクは15種類も試乗が可能と、充実ぶりが伺えた。
 

フランクフルト発のスタートアップ「Mäx & Mäleon」のカーゴバイクは製造もドイツ。発売は来年予定!

ギアなし・スピード3段階調節のみで低価格が売りのE-BIKE「SUSHI BIKES」や、積載が 250kgまで可能な上に前二輪が右左折時に傾斜するEカーゴバイク「Mäx & Mäleon」など、自転車市場にこれまでなかった新たな移動手段に目移りしてしまう。そんなモビリティの可能性を、子どもだけでなく大人も自ら運搬対象となって果敢にトライする姿が印象的だった。

交通系の環境団体「VCDドイツ交通クラブ」のスタンドでは今年9月末に迫る連邦議会選挙に向け、各政党の交通政策チェックを掲示し、モビリティに持続可能な姿勢があるかを評価していた。減少に転じていない交通部門のCO2排出量に変化を起こそうと、これまでの型にとらわれない自転車の開発に挑むメーカーの意気込みと、新たな移動手段を模索するユーザーの関心は一致しているようだ。
 

「VCDドイツ交通クラブ」ヘッセン州支部スタンドで展示されていた、連邦議会選挙前の各政党の政策チェック表。調査は市民団体によって広く行われている。

紙面掲載日:2021年10月22日
※記事の内容は紙面掲載時点の情報です
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